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江蘇省|相手方の資産と支払い能力

調査事例|江蘇省

01ご相談の状況

江蘇省の会社との取引で支払いが滞っていた依頼者様から、「相手にそもそも払う力があるのか」を確かめたい、というご相談をいただきました。

ご相談の時点で、依頼者様は日本の代理人と手続きを検討しておられました。ただ、手続きに入れば費用と時間がかかります。回収できる見込みがあるのかどうかで、進めるかどうかを決めたいという段階でした。

はじめに、お受けできないことをお伝えしました
  • 相手の口座の残高、預金の中身、入出金の記録
  • 個人名義の資産、保有している不動産の全体像
  • いくらなら回収できるか、という見込みの提示

「資産を調べる」と言われるものの中身は、実際にはこの三つを含みません。そこを最初に共有したうえで着手しています。

02外から確かめられること

支払い能力そのものは見えません。ただ、「払える状態にあるか」を推し量る材料は、公示情報と現地の確認から集められます。この案件では次の五つを見ました。

執行の記録裁判所が公開している記録に、履行しなかった債務者として登録されていないか。他社との間でも同じことが起きていないか。
経営の状態年次報告が出ているか。経営異常名簿に入っていないか。行政処罰を受けた記録があるか。
持分と資本出資者の構成に最近の変更がないか。減資や持分の譲渡が行われていないか。
事業の稼働事務所や工場が動いているか。人がいるか。設備や在庫が動いている様子があるか。
関連法人代表者や出資者が、別の法人を新しく立てていないか。事業がそちらへ移っている様子がないか。

この案件で分かったのは、執行の記録が他社との間で複数出ていたこと、そして直近の年次報告が未提出だったことでした。事務所は残っていましたが、稼働している様子は乏しく、隣接する区画は空いていました。

確認したのはいずれも公示されている記録と、外から見える範囲です。関係者への接触や施設内部での確認は行っていません。

03結果とその後

報告書には、確認できた事実を並べたうえで、「支払い能力の有無について当社は判断しない」と明記しました。ただ、他社との間でも履行されていない記録が複数ある、という事実は、それ自体が意味を持ちます。

依頼者様は、この報告をもとに手続きを進めないという判断をされました。追わないと決めるための調査になった案件です。

回収の見込みが薄いと分かった時点で、その債権を損失として処理する判断ができます。分からないまま抱え続けるほうが、社内の時間を使い続けることになります。

成功報酬でお受けしない理由

回収額に応じた報酬でお受けすると、当社に「回収できる」と書く動機が生まれます。この案件のように「見込みが薄い」と報告することが、依頼者様にとって最も価値のある結果になる場合があります。結果の内容によって費用が変わらないことが、報告の中身を保つ条件です。

掲載にあたり、案件が特定されない範囲で内容を調整しています。

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ID:tanteisoudan